越前・永平寺参拝

磨きぬかれた僧堂で座禅をする
磨きぬかれた僧堂で座禅をする

所用で福井県に伺った帰り道、

曹洞宗総本山・永平寺へお参りに行きました。

 

高校生の頃、仏教に関心を持ち始め、

図書館で開いた永平寺の写真集。

そこには雪深い山寺の廊下を

裸足で白い息を吐きながら雑巾がけに

励む修行僧の凛々しい姿が映っていました。

 

一挙手一投足、無駄のない動きと

質素ながら完成された修行体系に

感動し、ちょっとした憧れを抱いていたのを

今でも思い出します。

 

初めて訪れた永平寺。

山門に足を踏み入れた瞬間から

清涼な空気と、お寺全体が調和された

清々しい雰囲気に包まれました。

 

700年間、一日もたるむことなく

修行僧たちによって座禅と祈りが

捧げられたお寺。

現在も200名の修行僧が生活されているそうです。

お参りした日には、皆さんで窓枠の掃除に

励まれていました。

 

このような場所が存在することで

どれほど世の中の救いに

なっていることか。

 

効率一辺倒の忙しい現代では

到底理解不能な空間かもしれませんが

神仏のご加護と、修行僧の方々の

精進が、物言わず世の中を救って

いるのです。

 

「仏道を習ふというは自己を習うなり,

自己を習ふというは,自己を忘るるなり,

自己を忘るるというは,万法に証せらるるなり,

万法に証せらるるというは自己の身心,

他己の身心を脱落せしむるなり」

     (道元禅師・正法眼蔵現成公案)