お盆を終えて

13日から15日まで

房総半島にある山寺・大多喜町の妙厳寺へ

お盆の棚経に行って参りました。

 

私が小僧から足掛け10年お世話になった

お寺であり、第二の故郷でもあります。

 

一年ぶりに伺う檀家さんのお宅にて

お互いの再会を喜び、四方山話に花が咲きました。

 

私が今日、僧侶として立っていられるのも

小僧の時から基礎と心構えを

教えてくださった師匠のお陰は勿論のこと、

このお寺の檀家さんお一人お一人に

育てていただいたお陰であると、

いつも恩に感じております。

 

田舎のお寺と檀家さんの関係は

半ば親戚のようなもので、家族構成は

勿論のこと、様々な事情を理解し合っている

という利点があります。

 

初めてお宅に伺った時は、幼稚園児で

私の似顔絵を書いてくれた可愛いお嬢ちゃんが

今や保母さんを目指す、しっかりした大学生に

成長し、お昼ご飯を用意してくれている姿を見ると

本当に嬉しく思います。

 

山間の一軒家で、近所に同年齢の子供がいないため

夏休み中の遊び相手は、このお嬢ちゃんのお兄ちゃんのみ、

ご両親は共働きなので、昼間は祖父母が面倒を見ていたようで

したが、実に素朴で純な女の子でした。

 

こういう環境で育てば、大人になっても間違いの無い

全うな女性になるだろうと、その頃思っておりましたが

まさしくその通り、何より性格の良さでしょう、

今は友達も多く、バイト先にも重宝がられ

就職も含めた将来のビジョンも明確に持っており

実に頼もしい女性に成長しました。

 

小手先の子育て論や、突飛な理屈はいらないのです

住環境が自然の流れに沿っており、

家族の中で「愛情たっぷり」育てられたかどうか、

この一点に尽きると感じます。

 

13日の夕方には、家族そろって盆提灯をぶら下げながら

お墓からご先祖をお連れする姿を、あちこちで拝見しました。

15日、16日には、再びお墓へご先祖をお送りする姿も

多く見かけ、つくづくお盆は心が温まる行事だと嬉しくなります。

 

日本の伝統行事は、季節感とも相俟って本当に美しい。

霊性の向上は、今ここ、この日本において高めることが

できるのです。