武田信玄公・陣中守本尊

木造厨子入刀八毘沙門天と勝軍地蔵尊(甲府市指定文化財)
木造厨子入刀八毘沙門天と勝軍地蔵尊(甲府市指定文化財)

 

4月12日は武田信玄公の命日。

今日(10日)まで甲府市内は、

信玄公祭りで大賑わいです。

 

武者行列はギネスにも認定されているのだとか。

今年の信玄公役は俳優の陣内孝則氏。

毎年、俳優さんが務める慣わしだそうです。

 

甲府市にある

臨済宗円光院では、信玄公の

陣中守本尊のお開帳がありました。

円光院は、正室三条夫人の墓所を祀る古刹です。

滅多にないお開帳なので、拝観に参りました。

たまには他宗のお寺へ出向くのも

勉強と良い刺激になります。

 

永禄8年(1565)造立のお像は

金庫に保管され、警備員立会いの元

お開帳されました。

文化財とはいえ、なぜにそこまで厳重に?

 

住職さんのお話によると、

以前は庫裏(住まい)に祀ってあったそうですが

盗難に遭い、別件で捕まった泥棒が

お像を近隣の畑に隠してあると白状し

無事お寺に返還された経緯で、このような保管に

なったそうです。

文化財を保護し続けるのも一苦労です。

 

切り金・彩色のお像は、見事な彫り物が

細部まで施され、毘沙門天の威厳と、

地蔵尊の気品が漂い霊験あらたかな尊像でした。

川中島の合戦直後に作られたそうで、

多くの流血を見つめてきたお像ともいえましょう。

 

この両像と同型の尊像が、清水寺に祀ってあるそうです。

征夷大将軍・坂上田村麻呂が戦勝祈願に造らせたものだとか。

信玄公もその威光にあやかろうとしたのでしょうか。

 

ちなみに信玄公は、「身延攻め」も計画しております。

詳しくはネットでお調べを。

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お開帳の前に行われた和尚さんの法話です。

 

「花は葉に支えられ、

 葉は枝に支えられ、

 枝は幹に支えられ、

 幹は根に支えられている。

 けれど、根は見えない。

 きれいな花見て喜ぶならば、

 見えない根元の恩を知れ。」