繁栄の行方

熊本で住職をしている修行仲間に

お見舞いの電話をする。

彼の地域は余震こそ続くが、

被害は無かったとの事。

熊本市に暮らす兄弟は、

子供を連れて職場通いの毎日だという。

GW明けまで、学校は休校状態だそうだ。

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所用でショッピングモールに入った。

大型資本の店内には食品から日用品まで

ありとあらゆる物が品数豊かに、

手ごろな価格で陳列されている。

いや、埋め尽くされているといった方がよい。

土曜の午後、ショッピングを楽しむ客層は

食と物に目移りし大忙しだ。

 

こんなに豊かさを享受できているのに

私は、めまいがする。

 

こんなに安く、何でも買い揃えられて

いいのだろうかと妙な罪悪感さえ感じる。

同じ日本なのだろうかと思う。

この違和感、抵抗感は

私のひねた感性のせいだろうか。

 

この豊かな繁栄の先に見えるものは?

ローマ帝国や平家の隆盛に

擬するものではないが、

私には日本が絶頂を極めた後が

空恐ろしく感じてならない。

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花は野に咲け、

と昔から言う。

身の丈にあった生活が

結局はいちばん楽に生きられる。

 

上記の御岩神社は

千年以上の歴史を持つ。

山深く静かに佇んできた

その存在が、現在も多くの心を癒している。

燦燦と降り注ぐ煌きのように

普遍なる豊かさを体感できる

日本でありたい。