日諦さんのお滝

山梨県南部町内船の山中にある
「日諦さんの滝」。
身延の道場主である小野先生に案内されて
初めて登って行った。
今では知る人ぞ知る行場である。

...

日諦上人は明治時代の学徳兼備の高僧。
寺や僧侶の堕落に染まらず、
遊行僧として各地を歩き、
日蓮聖人様の有力信者・四条さん縁のお寺の
裏山にある滝場で10年間修行をされたそうだ。

 

初めは村人から乞食坊主と揶揄されたが
その修行の姿に、やがて村中から絶大な
信頼を得る。

 

その噂を聞きつけた宗門のお偉方が
当時、荒廃していた大本山・誕生寺の
刷新を懇願、特選で貫首に抜擢され
数年で見事、誕生寺を復興させた。

 

そして、引き際が潔い。
約束の復興を果たしたので、
私は貫首を辞めます、と
また遊行僧に戻ったそうだ。

 

道なき道を登り、落ちそうな橋桁を
渡っていくと古びた立派なお堂があった。
清冽なお滝の脇には、日諦上人のお墓があった。
地元では、昔から日諦さんの滝と呼ばれている。

 

よくぞ、このような山中でご修行を
とい場所である。

「熊注意」の看板があった。

 

下山して靴を脱いだら、靴下が血で真っ赤に。
山ヒルに食われたようだった。